澄んだ空の下で
「元気ーって、そんな風には見えねぇな」
そう言った祥人くんはゆっくりと漕いでいたペダルから方足を下ろし地面につける。
「あのっ…」
「うん?」
「アオは?」
きっと祥人くんは何かを知っているはず。
「あー、アオ?」
「連絡が取れなくて…」
「仕事してんじゃね?」
「…仕事?」
「あれ?もしかして知らねーの?」
「うん。学校辞めた事も知らなかった」
「あー…」
祥人くんは何故か言葉を濁す様に語尾を伸ばす。
「アオは何で辞めちゃったの?」
「なぁなぁ、ちょっとあっちで座んね?」
祥人くんが指差す方向は小さな小さな公園にあるベンチ。
まだ何も返事を言ってないあたしに、「なんか買ってくる」そう言葉を残して祥人くんはゆっくりと自転車を走らせた。
そんな祥人くんの指示を従う様に、あたしはベンチに腰を下ろして祥人くんを待つ。
「ごめん。はい」
暫くしてその事と同時に差し出されたレモンティー。
「あ、ありがとう」
遠慮なく受け取ったあたしに祥人くんは軽くほほ笑んで、隣に腰を下ろした。