澄んだ空の下で

「ど、どうしたの、アオ…」

「分かってんじゃねーの?俺がお前に求めてる事」

「えっ、何?」


突然のアオの言葉に戸惑った。

一瞬何の事かさっぱり分からなかったけど、アオの苛立ってる顔からして話の内容の意味が分かった。


アオがあたしに聞きたいのは…


「お前、もしかして隠してた?」

「隠すって?」


なのに、何でか分かんないけど、あたしは分かんない振りを通そうとしてた。


「いつから?いつからだよ、お前と恭さんがツルんでるの?」

「え?」


ちょっと待って。

やっぱし、何の事?


「8月の初め、お前と恭さんが一緒に病院から出てくる所を見た」

「……っ、」

「知ってるか?あの病院、俺の親父が入院してんだよ」

「……」

「あの日はたまたまだった。たまたま行った時、お前と恭さんが病院から出て来た。初めは親父に会いに行ったのかとか、そう思った」

「……」

「でも、違った。後で親父に会いに行った時、誰も来なかった。…と」

「……」

「いつから知ってた。あの病院に千沙が居た事」

「……っ、」


アオの物凄い視線が怖くなって思わず逸らしてしまった。
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