澄んだ空の下で

だけど、それ以前にさっき勢いよく立ちあがった所為で頭痛が走る。

しかも空腹の所為か眩暈がする。


…気持ち悪。


お腹を擦りながら鞄を掴み、背を向けた時、


「なぁ、あそこって何が見える?」

「はい?」


思わず振り返った。


「あっち」


そう言って彼が指す方向はあたしがいつも居る場所。


「あっ…知ってたんだ」


思わず苦笑いするあたしに、彼は面倒くさそうに溜め息を漏らす。


「つか、あんな馬鹿みたいにフェンスにしがみ付いてりゃ分かんだろうが」

「馬鹿って…」


…何よ?


「ここから見てても分かる。何時間も突っ立ってお前、俺のストーカーかよ」

「ス、ストーカー!?」


思わずビックリする言葉に声が裏が得ってしまった。

確かに、アンタが気になった。

だけど、そんなつもりじゃない。


「ぶっちゃけ、こっち向いて立たれちゃ落ち着かねぇんだけど」

「あ、あぁ…そっか。で、でもストーカーじゃないから!」

「じゃなきゃ困る」

「…ですね。ねぇ、アンタはいつも何してんの、ここで」

「つか、それって言わなきゃいけねぇの?」

「…いや、別に」

「つかお前に…関係ねぇじゃん」


そう冷たく吐いた彼は、再びベンチに寝ころぶ。

着崩した制服にサラサラした髪。


…綺麗な顔してんのに偉そう。





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