澄んだ空の下で
アオと別れた後、少し急ぎ足で美奈子の所へと向かった。
少しでも早く行かなきゃと言う思いが強く、近道だった裏道から行く。
でも、もう少しで美奈子のママの店の裏側だって時、その軽快だったあたしの足はピタっと止まった。
こんな所を通って来るんじゃなかったって。
なんでココを通って来たんだろうって。
ほんの数秒でその言葉が頭の中を過った。
きっとこの道はダメなんだって、そう思った。
以前もこの道で後悔した。
なのに何であたしはココを通ったんだろうと…
だって、以前も見た様なこの光景。
狭い狭い路地裏。
人通りなんて全くない。
そこに恭と女の人が居た。
一方的に恭に絡まる女。
すぐにも逃げようと思った。でもあたしの足は地面にへばり付いたままで動こうとはしない。
頭の中では逃げたい気持ちでいっぱいなのに動こうとしない足が嫌で仕方がない。
だから余計に後悔してしまった。
立ち止まってる所為で女の視線がゆっくりとこっちに動く。
その瞬間、フッと口元を緩めたかと思うとそのまま女の唇は恭の唇と重なった。
「…っ、」