澄んだ空の下で

「どーしたの、若菜ちゃん!?」

「えっ?」

「なんかあった?息きらしてるから」

「いや、別に…ってかアンタこそどーしたのよ」

「あ。若菜ちゃん来るかなーって近くまで見に行こうとしてたの」


エへへ…と笑う美奈子。


「あぁ、そうなんだ。ごめん、遅くなって」

「ううん大丈夫だよ。とりあえず中に入ろうよ」

「うん」


美奈子が背を向けた瞬間に、大きく一息吐いた。


店の中に入ったものの、目の前で話してくる美奈子の声なんて耳に入ってなかった。

スッと通り抜けて行く感じで。


「-―…わーかーなーちゃんっ!」

「…え?」


意識が遠のいていた。

真の前の美奈子は身体を前のめりにしてあたしの顔に近づく。


「何、考え事してんの?」

「え?」

「さっきからボーっとしてる」

「そう?」

「そうだよ!!さっから話してんのに若菜ちゃん何も聞いてないし」

「聞いてるよ」

「じゃー何話してた?」

「……」

「ほら、聞いてないじゃん!」

「…ごめん」


フーっと息を吐き出した美奈子は顔を顰めて頬を膨らました。




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