澄んだ空の下で

「考えてよ、若菜」

「考えてって言われても…」


考える事すらないでしょ?


「お願い、若菜」


なんなの、この変わり様。

サエコと寝てた時、“どうでもいいだろ”なんて人ごとみたいに言ってたのに。


今更やり直したいって、何をどう思ってそんな事を言ってるんだろう。

いや、そんな事、この人が言える立場じゃない。


レオはあたしの親友だったサエコと寝た。

でもその親友だったサエコにあたしは売られたんだ。


次第に目が潤みだした。

なんの為に生きてるのかもさっぱり分からなくなった今、色んな事が込み上げてきて今にも涙が溢れそうだった。


苦しい。

苦しい。


なのに…


「若菜の事、絶対に今度は離さないから。幸せにする」


なんて馬鹿な事を言う。


「…悪いけど、レオとは…」


そこまで言いかけて息が詰まりそうになった。


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