澄んだ空の下で
「え?俺とは何?」
「…無理」
「無理?」
「無理だから」
「理由は?」
「り、理由?」
「そう、俺とダメな理由。言っただろ、若菜の事絶対離さないって――…」
「え、ちょっ、」
至近距離に近づいたレオの顔。
ギュっと握られた腕にレオの力が入った。
その所為で思わず身体が後ろに少し引く。
「つか、そんな嫌がんなよ」
「って言うか、あたしホントにレオとは――…」
「わーかーなーちゃんっ!約束無視してナンパされてんの?」
不意に聞こえた笑い声。
その拍子にグッと引かれるあたしの肩。
必然的に離れたレオの腕。
その握られていた腕の場所をあたしは軽く擦りながら視線を向けた。
「…セナ、さん?」
「約束時間になってもこねーから」
「……」
え?約束って、何?
「で、なに?俺よりそっちの男って?」
呆れた様にセナさんはレオを見る。
「あ、いや。別に…」
思わず呟いた言葉に、微かに聞こえてきたのはレオの舌打ちだった。