澄んだ空の下で

「だから説教じゃないって!ただアンタ男運悪そうだからさ!真剣にしなよって事だよ」

「…うん」


男運悪いか。

確かに当たってるかも知れない。

だから余計になんだかへこむ。


「って言うかさ、アンタ卒業したらどーするの?キャバにもなるつもり?」

「分かんない」

「分かんないって言ってもさ、お母さんと一緒に居るのも良し悪しだよ」

「……」

「あたし達の事を思って頑張ってるのかも知れないけどさ、接する態度がね…」

「うん」

「住むのが嫌だからと言って男に走るのもどうかと思うし、尚更一緒に住もうなんてのもどうかと思うしね」

「え、誰の事言ってんの?」

「たとえ話よ」

「たとえ話ねぇ…って、え!?それってお姉ちゃんの事?」

「だからたとえ話よ!!」

「ふーん…」


遠まわしにあたしの事を言ってんのか、それともお姉ちゃん自身の事を語っているのか分からないけど、お姉ちゃんは深くため息を吐き出した。

でも確かに逃れたいがために男に走るといい事なんてない。


ふと、頭の中を過ったレオの顔。

思い出すだけで腹立たしい。


また、レオはあたしの前に現われるんだろうか。

そう思うと、息苦しさを感じた。




< 388 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop