澄んだ空の下で
「何?」
「大丈夫、か?」
「うん。ごめん、アオ。今日は帰るから」
「あ、あぁ。なんかあったら言えよ」
「うん。ありがと」
アオの部屋を出てバタンとドアを閉めると、ため息とともにやるせない気持ちが湧きあがってきた。
アオの家から学校まで電車で二駅だからそう遠くはない。
アオとは中学からの仲。
だからと言って、べつに恋愛感情なんて全くない。
それはアオにとっても同じ。
友達以上、恋人未満ってやつ。
それ以上の事は望んでない。
だけど、そーやってアオを縛り込んでいるのはあたし。
離れなきゃいけないって、そう思ってるんだけど、結局はアオに縋りついている。
だけど、これじゃダメなんだ。
ダメなの。
あたしの所為で、アオは誰とも付き合おうとしない。
好きな人がいるくせに、
好きな奴がいるくせに、
付き合おうとはしないんだ。
だって、あたしがアオを縛りつけているから。