澄んだ空の下で
「若菜ちゃんっ、」
学校に着いた頃には丁度賑わっている休み時間だった。
自分の席に座った瞬間に弾ける声。
あたしの机に両腕を置いてしゃがんだのは美奈子だった。
「若菜ちゃん、おはよ」
可愛い顔してニコっと微笑む美奈子は毎度の事。
黒髪のボブの髪を耳に掛けながら嬉しそうにあたしを見る。
まるで子供だ。
こうやって、いつもあたしの横にくっつく美奈子はあたしと友達だとおもってるのだろうか。
だけど、あたしは違う。
友達なんて、いらない。
面倒なだけなんだ。
「ねぇ、若菜ちゃん。元気ないね…」
さっきと打って変わって表情を変える美奈子は眉を顰める。
「…別に」
「何かあったら言ってね。何でも聞くから」
ほんと、面倒な奴。
友達気取りもいい加減にしてほしい。
所詮、友達なんて飾り物なんだよ。
口だけの友達なんて必要なんてない。