澄んだ空の下で

彼の家に頻繁に行くようになって、勝手に出入りする関係にまでもなって。

あの頃は本当に幸せだった。


そして高校になろうとする年。


彼は昔からずっと決めていた高校に行くことになって、あたしも近い方がいいからと言って、お互い別々の高校に進んだ。

サエコの家は裕福で大学までのエスカレーター式の高校に進んだ。


会えば会えるよ。そう言って、お互い別に進み、あたしはアオと同じ高校に進学した。


でも、それからだった。


別の高校になれば会う回数なんて減っていき、それが冬になるとグンと減っていた。

それでもあたしは会う日を作って会ってた。


だけど。

その日はテスト中だった。

早く帰れることをいいことに、あたしは彼の家へ行った。


勝手に入るのなんて当たり前になってて、両親が居ない彼の家を勝手に上がり込んでた。


でも、その時、気付かなかったんだ。

女の靴があるなんて。




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