澄んだ空の下で
「あーあ、ちょっと人のセックス中に入って来ないでよ」
「は?」
…今なんて、言った?
「若菜、最低だね。覗き見なんて」
そう言ったサエコは未だに繋がっている彼との身体をゆっくり離し、ニコっと微笑んで、
「えー、もしかして中で出しちゃったの?妊娠しちゃうじゃん、まあいいけどねー。超気持ち良かったし」
なんて笑いながら太ももに伝ったものを手で拭ってた。
「サエコ、…あんた何してんの?」
「何ってセックスだよ。若菜、見てたじゃん」
「そう言う事じゃないでしょ!?」
「もうそんな怒んなくてもいいじゃん。借りただけだし」
「はぁ?借りたってなに?」
「だって、友達でしょ?友達のを借りただけじゃん」
「意味分かんないんだけど、ねぇ、ねぇってば!!」
そう言って、彼に詰めよった。
でも、彼は面倒くさそうにため息を吐き、「どうでもいいだろ」そんな言葉を吐き捨てた。
「どうでもいい事ないでしょ?じゃあ、あたしは何なの!?」
「もー、若菜。そんな大声やめてよ、頭痛いじゃん。ゴメンってば、若菜」
「…最低だよ」
二人を睨み付けた後、あたしは駆け足で走った。
…ゴメンってば。
簡単に言わないでよ。
ねぇ、いつから?
いつからなの?
あたしが知らないうちにそんな関係だったんだ。
ほんと、あたしって馬鹿。
気付かないなんて、ほんと馬鹿だよ。