澄んだ空の下で
それからだった。
サエコは何度もゴメンって、謝ってきた。
でも、心なんてこもってなかった。
明るく、笑いながら謝るサエコがその日で大嫌いになってた。
彼は彼で、あんな事があったにも関わらず、“若菜とやり直したい”そう馬鹿みたいな事を言ってきた。
でも、それを知ったアオが彼を何度も殴ってた。
それからだった。
あたしがアオに縋りつくようになったのは。
アオがあたしを心配するようになったのは。
だからその日から、あたしは友達を捨てた。
ただの飾り物って。
必要な時につかって、必要な時に遊ぶ。
そんな、飾り物の友達なんていらないって思った。
…一人のほうがよっぽど楽。
「…若菜ちゃんっ、」
暫くして、不意に聞こえた声が美奈子だと分った。
だけどあたしは顔を向けることなくただ寝転がったまま空を見上げてた。