澄んだ空の下で

濁ったこの空気が耐えられなくて、あたしは二人に背を向ける。


アオも悪くはなくて。

美奈子も悪くはなくて。


ただ、悪いのはあたしだって分かっているのに、何も言えない。


途方に暮れる様に向かった先はビルの屋上。

この世の中、何がよくて何がいけないのかなんて分りっこない。


友達と呼べるものも欲しくなくて、家に居る事も好きじゃない。

あんなに、あんなに幸せだと思ってた時期とは一転、何もかも失ったとしか思えない。


そんなあたしの近くに居たのはアオだった。

アオは人気で男友達だって沢山いて、女もすぐに引き寄せる存在。


なのに暇を見つけてはあたしに構う。

…んじゃなくて、あたしがアオから離れないと。



ただ、そんな事を考えながらフェンスにしがみついてずっと街並みを見てた。

どれくらいここに居たのかも分からない。

次第に悲しくなって、目に涙が浮かぶ。


あたしが、何をしたって言うの?


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