澄んだ空の下で

胡坐を掻いたまま器用にあたしの肩にもたれて寝る恭。

その姿に思わず見惚れてしまった自分にビックリする。


綺麗な髪に、整った眉。

筋の通った綺麗な鼻。

綺麗な薄い唇。


何もかも完璧な男はここまで、そう簡単には存在しないはず。


感じた事はないけど、この綺麗な寝顔に見惚れてしまった自分に内心焦った。



「ちょっ、ねぇ…。ねぇってば!!」


このままにされたらあたしの感情が効かなくなる。

恭の腕を掴んで激しく揺する。


「…ん、」


眠りから覚めたのか、恭は短く言葉を吐き捨てこめかみを押さえた。


「ねぇ、起きて!…恭ってば!!」


思わず名前を叫んでしまった。

未だにあたしの肩にもたれている恭はその声で我に返ったのか、欠伸をしながらあたしの肩から離れる。


「あ、悪い」


眠そうに目を擦りながらあたしに視線を向けて、そう呟いた。


「いや、別に…」

「もしかして俺、寝てた?」

「うん、寝てた」

「でも先に寝たの、お前だから」

「…っ、」


そうなの?



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