澄んだ空の下で
「本当はこっちの学校じゃなかった。都心の有名新学校」
「……」
…都心の有名新学校か。
さすが金持ち。
「そこには親父がいれた。だけど、俺には居心地が悪くて行かなかった」
「……」
「ただ、それだけ」
「……」
「で、こっちに編入したってわけ」
「…公立に?」
「そう。俺には合ってんの」
「……」
「つか、周りがそんな風にさせた」
「……」
「ま、どーでもいいけど」
深く息を吐き出した恭は薄らと目を開けていく。
そのまま恭はボンヤリと空を仰いでた。
“ま、どーでもいいけど”
なんで、アンタはそーやって他を見捨てようとすんの?
あたしもそーだけど、アンタは違うでしょ?
そんな家計に産まれてんだから、幸せでしょ?
“周りがそんな風にさせた”
あたしがよく使う言葉を恭はサラっと口にした。
別にどうでもいい様にそう言った。
だけど、あたしは違うの。
どうでもいいと思う程、そんな簡単に思えない。