黒ふわ王子の愛し方
2.
その時、後ろからぐいっと腕を引かれた。
「わっ…?」
「先輩達ー、恐がってますよー。あ、あっちの方にめちゃくちゃ可愛い女の子4人組が誰かに案内してほしそうでしたけど。」
「ホントか!?よしっ!」
あっという間にみんないなくなった。
ホッ… 助かった。
誰だかわからないけど、助けてくれた人にお礼言わなくちゃ。
そう思い振り返ると…
「あ、れ?」
その彼もいなくなっていた。
「誰だったんだろう…?」
不思議。お礼くらいさせてくれてもいいのに。
でも優しい人だったな。
(ありがとうございます…)
心の中で感謝して、再び校舎へ歩き出した。