小悪魔な彼女
俺は、図書室で心愛を待って夕日が綺麗だと思いながら自分のしたカンニングに対して恥ずかしい気持ちで体が疼いた。


どうしても、数学の公式のようには日本史の年表が覚えられなかった。


何故だか、分からないが...


「待った?」

心愛は、明るい声で俺に聞いた。


ニコニコしている。

その、笑顔が夕日の光を浴びて瞳がいつも以上に輝いている。


そうか...俺は..ただ自分の気持ちを抑えていただけなんだ...


あの..風の強い日に消えてしまった彼女を思い出したくなかったから...


心愛を、直視しないように避けていた。
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