小悪魔な彼女
心愛は、つまらなそうな顔をして俺を一瞥して、持っていた携帯電話を机の上に置いて俺に見ろと促した。


女の子にしてはシンプルなモスグリーン色の携帯電話.....


俺は、手の平をズボンで拭いてから携帯電話を持って画面を見つめた。



俺の、ドキドキしていた心臓がドライアイスの中に突っ込まれたように、カッと熱くなって鋭い冷たさがジンジンした。


背中からは、冷や汗がたくさん流れて体が震えた。


心愛は、俺の蒼白した顔を見つめて嬉しそうに笑った。


「カンニングは..停学?それともひどい場合は退学なのかな?」


心愛は、俺の手からゆっくりと携帯電話を取り上げて言った。

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