へっぽこ王子とへっぽこ姫

「君は大変わがままで、強情で、

ヒステリックで・・・不器用でオヘチャで

おてんば。

だけどそこが大好きなんだ」

姫はちょっぴり、ムッとしました。

「そんなの、いいとこなしじゃない。

そんなのどうして好きなのよ?」

「そんな事は、わからない」

王子はすっかり目を覚まし、

寝起きのハレたぶさいくな目で、

まっすぐ姫を見つめながら言いました。

「僕にもさっぱりわからないよ。

でも好きなんだ。なんでだろうね」
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