未熟色の君たち
優しい色になりたい
由香里 芳成
旬 亜実
「旬の奴。最近、変わったよな」
玄関で上靴を脱ぎながら、芳成は言う。
私は、ローファーのつま先を鳴らし校庭に目をやった。
夏の太陽は、キラキラと眩しい。
その輝きが、校舎の窓ガラスにたくさん反射している。
校庭に設置されている、サッカーゴール。
その少し離れたところに亜実ちゃんが、自分の鞄と旬の鞄を大事そうに抱えて立っている。
亜実ちゃんの視線の先には、旬がいる。
サッカー部が片付け忘れたボールでリフティングをし、旬は得意げな表情をしている。
その顔は、凄く楽しそう。
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