未熟色の君たち
「由香里」
「……ん……?」
頬杖をつき、窓の外を眺める由香里の視線を二人から奪う。
「駅前に新しいカフェができたんだって。由香里そういうの好きだろ? ついていってやるよ」
俺は、伸びてきた前髪を指で摘みながら、由香里を誘う。
「ぅん……」
由香里からは、気のない返事しかかえってこない。
原因はわかっていても、対処のしかたがわからねぇ。
そんなに落ち込むなって。なんて、軽くも言えないし。
俺がいるだろ。なんて、鳥肌もんの臭いセリフはもっと言えねぇ。