未熟色の君たち


駅が近くなった頃、由香里が急に立ち止まった。

「どこ?」
「え……?」
「だから。新しいカフェは、どこ?」

隣に居る俺の視線をうまく捉えられないみたいに、瞳が泳いでいる。

声は、さっき二人にバイバイって言った時みたいな明るい声だった。


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