未熟色の君たち
あと数時間のうちに、柔らかな色の夕陽はやってくる。
その柔らかな光さえ、キラキラの太陽に変えてしまいそうな笑顔だ。
玄関先に佇み、私はそんな二人をただ見ていた。
靴を履き替えた芳成が私の肩に腕を置き、体を預けるようにして後ろに立つ。
その目も、旬と亜実ちゃんの楽しそうな姿を見ている。
「旬の奴。スンゲー楽しそうな顔。あんな顔する奴だったっけ?」
芳成は、いつまでも私に寄りかかるようにして立ちながらそんな風にこぼす。
旬が何であんなふうに笑うようになったのか。
確かなのは、亜実ちゃんが旬の傍にいるようになってからということ。