未熟色の君たち
恋しちゃった
芳成 由香里
高校生になった春。
私のいるこのクラスには、同じ中学から来た知り合いが一人もいなかった。
かといって、進んで他の女子と仲良くなるのも私はなんとなく面倒臭かった。
昼休み。
私は、一人机の上にお弁当箱を広げていた。
ウインナーを摘んでは、窓の外を眺めたり。
ご飯を一口食べては、何も書かれていない黒板をぼうっと見ていた。
「なぁ。そのハンバーグ食いたい」
その声は、すぐ真横から聞こえてきた。
「はい?」
隣の席に座る、清水芳成が物欲しそうな顔で話しかけてきたんだ。