未熟色の君たち
清水は、ハンバーグを食べ終わると今度はタマゴ焼きをジーっと見る。
どんだけ食いしん坊なんだ、この人。
「タマゴ焼きも、食べる?」
私は、少しずつ込み上げる可笑しさを堪えなながら、窺うようにして訊ねる。
すると清水は、ニンマリと頷いた。
清水って、変な奴。
でも、ちょっと面白いやつかも。
これをきっかけに、私と清水はよく話をするようになり、仲良くなっていった。
一ヶ月も経たないうちに、清水という呼び名は、芳成に変わり。
私は、由香里と呼ばれるようになっていた。
話すうちにわかったのは、芳成もこのクラスに知り合いが一人も居らず、休み時間ごとに自分と同じように一人でぽけーっとしている私が気になったらしい。
高校初日に、唯一、玄関でぶつかった佐藤亜実ちゃんとは、時々話をするとか。