未熟色の君たち


それから――――。

「芳成、芳成。見て見て、これ。渋谷に出来た新しいアイスのお店。ねぇっ、行こうよっ」

情報雑誌のそのページを、バーンと芳成の目の前に広げて誘う。

「え~。だから、金ないってぇ~」
「まーたー? しょぼいぞっ、清水芳成っ!!」

バシッと背中に平手打ちをして、無理やり連れ出す。

「由香里は、横暴だぁ~っ」

芳成の文句は、聞こえないフリ。

こんな風に、私の我儘は日々炸裂していた。


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