未熟色の君たち


芳成は、亜実ちゃんのことが好きだった。と私は思っている。

よくちょっかいをかけては、からかったりしていたし、そんな風にしている時の芳成は楽しそうに見えたから。
亜実ちゃんも、そんな芳成と楽しそうにしていた。

だから私は、てっきり亜実ちゃんが好きなのは芳成だと思っていた。
芳成だって、きっとそうなんだと思っていたに違いない。

だから、少しも疑わなかったし、我儘言っては困らせても安心していたんだ。


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