未熟色の君たち
長い付き合いの中で、毎日一緒に帰るのが当たり前になっていた。
だから、芳成や他の友達とおしゃべりし過ぎて少しくらい待たせる事になっても、あまり気にも留めなかった。
買ったばかりのCDを、どうしてもすぐに聴きたいって駄々をこね。
買った本人がまだちゃんと聴いてもいないうちに、貸して。なんて家に持って帰っちゃっても意に介さず。
用事があるって言ってるのに。
どうしても新しく出来たスィーツのお店に行きたくて、無理やりついてきてと我儘をいい。
女の子ばかりのその店内で、甘い物が苦手なのも構わず、その目の前で平気で一人パクパクケーキを食べていた。
休みの日には、絶対逢いたいとか。
手は、つないで歩きたいとか。
寝る前には、メールしてとか。
いっぱいいっぱい、我儘言って困らせても平気だって思っていた。