未熟色の君たち


でも、それは平気なんじゃなくて私が鈍かっただけ。

おかげでこんな風になっちゃった……。

「芳成。ごめんね」

二人の姿を遠く横目に、私は芳成と校門を出る。

芳成は、何が? ってとぼけた返事をした。

私のせいで亜実ちゃんが旬のところへ行っちゃった。
私が我儘ばかり言ってきたせいで、旬のところへ行っちゃった。

芳成は、伸びてきた前髪を掻き分け、別に。って洩らす。


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