未熟色の君たち
「芳成。寄り道したい」
「いいけど……」
こんな風になった今でも、私は我儘だ。
芳成の予定も訊かずに、寄り道の強制をしてしまう。
付き合いの長い芳成は、そんな私に文句のひとつも言わずにいてくれる。
私は芳成を連れて、駅への道をそれ川原へ向かった。
大きな川は、流れを止めることなく水を運ぶ。
流れ続けることで、澱みをなくしきれいな透明感を保つ。
もう直ぐこの川面に夕陽が映る。
この空も、遠くに見える町並みも全部を包み込む夕陽が映る。
その夕陽を、私は見たかった。