未熟色の君たち


芳成の優しさも少しわけて貰おう。

こんな優しい友達、大切にしないわけにはいかない。
見放されないようにしなくちゃ。

遠くから少しずつ染まる空を見つめ、私は優しい色に包まれる。

「芳成。ありがとう」

頬に伝う涙と一緒に溢れる言葉。

芳成の大きな手が頭の上に置かれる。

ほらよ。って差し出されたハンカチがあんまりクシャクシャ過ぎて可笑しくなった。

一緒にいてくれて。

「ありがとう、芳成……」

景色を染める優しい夕陽。

私もこんな、優しい色を持つ人になりたい――――。


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