ウェスターフィールド子爵の憂鬱な聖夜

 すべてが終わって二人が振り向いた時、マーガレットや伯父夫婦、パトリック、皆の暖かい祝福に迎えられる。

 しっかりと腕を取り自分を支えてくれているエヴァンの笑顔を見つめながら、ローズは再び溢れてくる涙を抑えることができなかった。


 城館ではメイベル・リー夫人が、村の婦人達の先頭に立ってこしらえあげた豪華な料理を並べた、午餐会の準備を整えていた。

 新しい子爵夫人を見ようと、領民や近隣の客達が集まってきて、祝辞を述べる。

 傍らで自分を守るように絶えず注がれているエヴァンの、愛情溢れる眼差しに励まされ、ローズは素朴な村人達との交流を楽しんだ。


< 256 / 261 >

この作品をシェア

pagetop