僕の可愛いお姫様
泉はまた、私をギュッと抱き締めた。

「呆れるだろう?
こんなにも嫉妬深くて…嫌いになった?」

子供みたいな声で弱音を吐く人。
私が居なくなったら死んでしまうんじゃないか。
そう、本気で心配になった。

「ならないよ。心配してくれて嬉しい。」

抱き締める力が強くなる。
囁く様な声で、泉は言った。

「梅雨李だけなんだよ。俺には梅雨李だけなんだ。
いつも不安なんだ。何処にもいかないで。
絶対に…大切にするから…。」
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