僕の可愛いお姫様
「梅雨李、あんまり気にするなよ。」
耳に飛び込んできたのは、泉の声。
私よりも不安そうな、声だった。
「ん。平気だよ。慣れてるから。」
はにかむ様にして、泉を見る。
路地の別れ道で、莉世と瑞穂と別れて、泉と並んで二人で歩く。
西陽が泉を紅く染める。
心配そうな、もしかしたら泣き出しそうな瞳で、彼は私を上から見下ろしている。
その瞳に捉えられたらどうなるのだろう。
泉はただの人間だ。どうもなりはしない。
それでも泉を染める紅が、まるで力を宿した様に、強く主張する。
逃げる用に、泉から視線を外す。
そうしなければ、本当にその力に捕らえるのではないか、今のこの不安な感情が崩れて、私は泣き出してしまうのではないか、そう本気で思えるくらいに、泉の目は強く、優しかった。
耳に飛び込んできたのは、泉の声。
私よりも不安そうな、声だった。
「ん。平気だよ。慣れてるから。」
はにかむ様にして、泉を見る。
路地の別れ道で、莉世と瑞穂と別れて、泉と並んで二人で歩く。
西陽が泉を紅く染める。
心配そうな、もしかしたら泣き出しそうな瞳で、彼は私を上から見下ろしている。
その瞳に捉えられたらどうなるのだろう。
泉はただの人間だ。どうもなりはしない。
それでも泉を染める紅が、まるで力を宿した様に、強く主張する。
逃げる用に、泉から視線を外す。
そうしなければ、本当にその力に捕らえるのではないか、今のこの不安な感情が崩れて、私は泣き出してしまうのではないか、そう本気で思えるくらいに、泉の目は強く、優しかった。