僕の可愛いお姫様
ピン、ポーン…。



不意に部屋に響く、インターホンの音。
まるであの日を再現するかの様に、今日もまた、窓を叩く、雨の音。

季節はすっかり梅雨入りをして、連日雨が続いている。

インターホンの音に、何を思い出したのか、梅雨李の目にも、雨に似た、雫が零れている。

予期せぬ来客。
梅雨李だけじゃない。ソレは俺も同じだった。

梅雨李の髪をそっと撫でる。

「大丈夫。直ぐに戻るからね。」

「いか…な…で…。」

俺の腕を掴んで、怯えた表情を、梅雨李は見せた。
その掌を、ゆっくりと離して、笑いかける。

「大丈夫だから。俺が守るよ。」
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