僕の可愛いお姫様
玄関に近付いて、ドアの魚眼レンズを覗く。

あいつ、だ…。
何故あいつが…。

一瞬ドキリとしてしまった自分を窘める。

考えてみれば、この生活が始まって何日経ったのか、よく考えなければ思い出せない。

莉世とも、そもそも梅雨李本人と連絡が取れない今、最も疑わしいのは俺だろう。
だから、来た。
簡単な話だ。

そしてその行動に助けられたのは、俺の方だった。
こいつを処理する為の準備に、手間が省けたんだ。

調度良かったな。
ほくそ笑む自分が居た。
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