僕の可愛いお姫様
さて、と。
梅雨李が眠っている間に片付けなくてはいけない。

玄関に転がる部品を引きずって、お風呂場に運ぶ。
莉世と違って、男を運ぶのは骨が折れる。

莉世の時と比べると、戸惑いはあまり無い。
慣れてしまったせいか、こいつに対する気持ちが反映しているのか。

最も邪魔で、俺と梅雨李の世界を脅かす存在。

俺の世界をことごとく奪ってきた存在。

ありがとう。お前のおかげで俺は、梅雨李を完全に手に入れる決心がついたんだ。

やっぱりお前は最高の親友だよ。
ありがとう。どうか、安らかに。




ビチャッ…ごきッ…ビチッ………


一つ一つの部品が壊れるたびに、梅雨李を初めてこの部屋に閉じ込めた夜よりも強く、感情が高ぶるのを感じた。



ゴキッ…ビチャッ…ブチッ………



勢いよく飛び散る赤黒い血液が、白い壁を染めていく。
排水溝へと正しく流れていく血液に、莉世の時の様に「勿体無い」とは感じない。
跡形もなく消え去ってしまえ。



グチャッ…ビチッ………ズリュ…グチッ…

ピチャ…ピチャンッ…グチュッ………





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