僕の可愛いお姫様
涙を流す梅雨李。
君の名に相応しい、このいつ絶えるとも知らない雨の様に、君は沈黙の雫を零し続ける。



そうだよ。
ずっと梅雨李、君だけを見ていたんだ。

ずっとずっと、君だけが好きだった。

彼女が好きだ。
どうしようもなく、好きだ。
今、泣いているのかと思うと、苦しい。
その涙が俺に向けられているのだとしたら尚更だ。
苦しくて苦しくて、愛しいのだ。
愛が苦しい。愛が苦しい。
幾度、彼女を壊しても足りない。
愛が苦しい。
君を尽くす全ての権利が欲しい。



だけど本当は…



君を愛する権利が欲しかった。
ただそれだけだったのに。

他の誰かの名前なんて呼ばないで。
俺だけを見ていてよ。
此処でしか君は幸せになんかなれないんだ…。

俺でしか、君は…。
< 217 / 227 >

この作品をシェア

pagetop