僕の可愛いお姫様
誰に咎められる事なく堂々と梅雨李を抱き締めていられたなら、
梅雨李の想いを独り占め出来ていたなら、
こんな場所じゃなくて、こんな形じゃなくて、君が泣く事も無くて…だなんて考えたってもう答えなんか見つからない。

もしも今此処で君を拘束する道具で君が傷付いたら、その躰が血を流したら、もしも俺が放つ言葉で君に消えない傷を作ってしまったら、俺はその事さえ愛しいと思うだろう。

消えない傷を君に遺して、その傷を見るたびに君は俺を思い出すんだ。

いや…。思い出す事なんか無い。
だって、離れる事が無いんだから。離れないなら思い出す必要も無い。

ずっとこのまま、二人で居よう。
俺以外、君を傷付ける物が無いのなら、何にも臆する事なく、俺は君を守り続けよう。
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