悪魔と過ごす非日常
いつも通りの日常からの非日常
いつもと同じ朝を迎え、いつもと同じ学校に行き、いつもと同じ帰路についた。
だが、今現在いつもとはかけ離れている状況が目の前で起きている。
「どうもー初めまして」
目の前には宙に浮いている一人の少女。
にこにこと笑みを浮かべる少女の背中には、羽根と尻尾が生えている。
何者なのだろうか?コスプレか何かか?
見た感じ、中学生か高校生くらい。
とびきり美少女と言う訳では無いが、可愛らしいと思う。
周りを見渡すが、妙な事に俺以外は誰も足を止めることをしない。
人通りが多い訳ではないが、道の隅であっても、羽根や尻尾が生え、宙に浮いている少女がいれば誰かしら足を止めるか目には留まるはずだ。
だが、誰一人としてこちらを注目する者は居ない。
それどころか俺以外には見ていないみたいだ。
「あのー」
「へ?」
先ほどの初めましてに返答をしない俺に痺れを切らしたのか、少女は遠慮がちに声をかけてきた。
「大丈夫ですか?何か悩んでいるみたいですが」
少女は、眉を下げ心配そうにこちらの様子をうかがっている。
「あーうん大丈夫何だけど、君は一体だれ?」
苦笑い気味に返事と質問を返すと、少女またにっこりと笑いくるりと一度宙を舞う。
「私、魔界の使いでやって来ました、真冬と申します」
ぺこりと行儀良く頭を下げると、宜しくお願いしますと言われた。