悪魔と過ごす非日常
少女はきょろきょろと辺りを見てはあれは何かと聞いてくる。
「あれはコンビニ」
「じゃああれは?」
「車」
「じゃああれは?」
「自販機」
道行くもの全てに興味があるようできらきらと目を輝かせている。
よく表情がコロコロと変わる子だな。
なんやかんやと説明している内に家の前へと着いた。
ポケットから鍵を取り出し玄関を開ける。
「なにやってんの?」
なかなか入ってこない少女に不思議に思い後ろを振り向くと、呼び鈴の前でプルプルしていた。
「これなんですか?カメラみたいのが付いてます」
「そうだね、ついてるね」
「押してみて良いですか?」
不安そうにこちらを伺いながら聞いてくる少女にどうぞと返すと、ぱぁっと笑顔になり呼び鈴を押した。
家の中からピンポーンと少し明るめの音がすると、少女の表情は驚いた顔に変わる。
「わー中から音がしました。もう一回」
少女がえいと勢いよく呼び鈴を押し再度家の中にはピンポーンと言う音が鳴る。
「ねぇそろそろ入ってくんないかな。ドア開いてるのに呼び鈴鳴ってると少し怪奇現象みたいたから」
溜め息混じりに言うと少女はしょぼんとした顔でごめんなさいと謝った。