ナミダ色片想い
静かに教室の前を後にした。
晴矢はこの教室で毎日のように女の子と一緒にいる。
しかも、ちがう女の子と。
“遊び人”
そんな言葉が彼には似合う。
女の子もきっとそれをわかってて晴矢に声をかける。
彼、顔は世間がほっとかないほどカッコいいから。
降り続く雨をぼんやり眺める。
わたしは、いつまでこんなことをしているんだろう?
幼馴染みに恋をして
毎日ひとりで苦しんで
そのくせ彼に想いを伝える勇気はない。
晴矢、
どうしたらわたしを見てくれますか?