ナミダ色片想い
「わたしだってどうしたらいいかわからないの!」
顔を上げた美沙。
「恋愛って難しいんだよ?千夏にはわかんないよ…!」
涙は、美沙じゃなくてわたしが流した。
むしょうにムカついた。
恋愛したことないから口出すなって?
冗談じゃない。
わたしはもう一度握った手に力をいれた。
「……恋愛したことは、確かにない。けど…」
「……。」
「大切なことのためには犠牲がいるんだってことは知ってる。」
わたしはそのまま部屋の扉に手をかけた。
「美沙が行かないならわたしが行く。」