ナミダ色片想い
「晴矢!」
彼は意外にも歩いて近くの公園に向かっているようだった。
晴矢のことだからバイクで飛ばしたりしてると思った。
わたしが呼び掛けると素直に振り向いてくれた彼。
少しホッとした。
「ごめん。」
彼のところまで駆けていったから少し息があがった。
それを整えながら彼を見る。
「なんで千夏が誤んだよ。」
笑った。
切なそうに。
彼のこの笑顔は嫌い。
こんな顔、見たくない。
「なに泣いてんだよ…。」
耐えきれなくてしゃがみこんだ。
ダメだな、晴矢だって美沙だって泣いてないのに…。