ナミダ色片想い



「千夏?」

突然呼ばれた名前。

驚きながら後ろを振り向くとそこには晴矢が笑みを浮かべて立っていた。

「晴矢…」

「今帰り?もうとっくに帰ってると思ってた。」

玄関に座り込んでいるわたしのとなりに彼も同じように座り込んだ。

「あ、うん。委員会あって。」

嘘。
下手すぎる嘘だ。

「ふーん。」

「なにか?」

「別に。つか、雨、すげぇな。」

彼の視線をたどり外を見ると本当に大雨。

雨は、好き。

なにかわたしの醜い部分を消してくれる気がして。


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