ナミダ色片想い



“植物状態”

美沙のお母さんからそう聞いた。

まだ脳も、心臓も動いてる。

でも、意識を取り戻す可能性はきわめて低い。

意識が戻ったとしても後遺症が残る可能性もある。

聞いている途中で思った。

もう、ちょっと前までの美沙にはもう会えないんだと。

そう確信すると膝から崩れ落ちたわたし。

どうしようもなく流れる涙を止める術がわからない。

病室前の廊下で泣き崩れるわたしとそれを支えてくれる美沙のお母さん。

それを見てる、晴矢。

わたしは晴矢のことも考えていられないほど取り乱していた。



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