ナミダ色片想い



夕日のさす病院の休憩室。

なんだか心に穴が空いてしまった気分だった。

涙は止まったけどやりきれない思い。

晴矢もどこか遠くを見つめていた。

「…ね、はる…。」

「ん?」

わたしの小さすぎる声に反応してくれる晴矢。

でもその目はわたしを見てなくて、わたしも彼から視線をそらした。

「わたし、信じれない…。」

真っ赤な夕日。

そのなかに落ちたわたしの言葉に答えは返ってこない。



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