ナミダ色片想い



額においたタオルを取り替えようと手を伸ばした。

苦しそう。

なにか夢でも、見てるの?

そう思った瞬間だった。

タオルをとった手首をつかまれそのままベッドへ引き寄せられた。

「晴矢!?」

あわてて起き上がろうとした。

でも、彼の力は強すぎた。

「晴矢、どうしたの!?」

それでも起き上がろうとした。

彼の苦しそうな顔がうつる。

わたしまで苦しくなる。

晴矢、晴矢…


「……美沙、」

呼吸が、止まりそうになった。



彼の唇が、わたしの唇に重なった。



< 44 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop