ナミダ色片想い
静かに離れた唇。
「…美沙、俺のそばに、いて…」
離れた唇が落とした言葉。
頬を、涙が伝った。
苦しくて、苦しくて、彼の部屋を飛び出した。
わたしのファーストキス。
晴矢が美沙にしたキス。
こんなの嫌。
晴矢が美沙を好きなことくらい、わかってたのに。
晴矢が女遊びしだしたのも、美沙を忘れるためだってわかってたのに。
現実を見てた、つもりなのに。
今のわたしは美沙のかわり。
いつも彼に抱かれてる女の子たちと同じ。
わたしの存在は、晴矢が美沙を忘れるためにあるの?